アパレルグラフィックデザイナーという仕事

Pantone colors

私はグラフィックデザイナーです。
グラフィックといってもいろんな分野の仕事があります。

私のデザイナーキャリアのほとんどは、アパレルグラフィックデザイナーとしてアメリカで働いていて、実際のところ一体どういうことをしているのか紹介したいと思います。

偶然なことから始まったアパレルでのキャリア

元々は、広告や、パッケージなどのを制作する、皆さんが思う典型的なグラフィックデザイナーとして、小さなエージェンシーのインターンから仕事を始めました。

その職場で、初めて任されたクライアントが、ラウンジウェアー(パジャマやスウェット)の会社でした。ターゲット層が女性だったので、ボスは私の方がより商品の理解できるだろうと任せてくれたのだと思います。

頼まれた仕事は、主にパジャマの柄などのテキスタイルデザイン。
紙媒体とは全くもって制作過程が違い、生地や染色の知識などが必要で、クライアントに指導してもらいながら、新たに学ぶことが多くて大変だったけど、ファッションが好きなこともあり、アパレルグラフィックが自分にハマった分野だと思えました。

そのクライアントの仕事が慣れた頃、私は労働ビザの更新や、デザインの仕事だけでは生活が難しいことに直面していました。ちらほらそんな悩みも、クライアントへ打ち明けていたのかは覚えていませんが、ラッキーにも、そのクライアントから、ビザも出すので、正社員としてインハウスデザイナーとして働かないとありえないオファーを頂きました。これはまたとないチャンス。きちんとボスには感謝を伝えた上で、ある意味クライアントを奪う形で長年インターンをした会社を退社しました。

これが私のアパレルフラフィックデザイナーとしての始まりでした。

実際の仕事内容は?

一体どんな仕事をしてるかというと、
クライアント、会社の規模にもよるけれど、基本的には以下のようなことをしています。

ドレンドリサーチ

実際に流行りのお店や競争相手の店舗へ行って、どんな商品が売られているかリサーチしたり、WWDなどのファション専門誌でトレンドを学んだりします。

また、ファションのトレードショウや、ミュージアムやアートショウなどへも行って、デザインのインスピレーションにしたりもします。

現在の仕事が、ディズニーやアニメのキャラクターのライセンス商品を作る会社なので、Comic Con やAnime Expoなどのコスプレヤーが集うコンベンションへも行きます。これはこの仕事を始めてから知った世界なので、ファンの多さと熱気を肌で感じ、初めて行ったときはびっくりしました!これだけ日本のキャラクターが知られていることもびっくり。笑 オタクパワーはすごい!

コンセプト作り

アパレルは殆どが4シーズンごとに商品を展開しています。
各シーズン、テーマやコンセプトをトレンドや過去の売れ筋商品も参照にしながら、作っていきます。

ムードボートという、洋服のスタイル、デザインの方向性、カラーパレット、キーになる装飾デザインやグラフィック、柄などのイメージをテーマに沿ってまとめたボードを作ります。

コレクション全体のボードもありますが、私はグラフィックデザイナーなので、グラフィック、プリント柄や装飾デザインだけのボートを作ります。

アパレルアイテムのグラフィックデザインとテキスタイルデザイン

これがメインの仕事とも言えます。
会社によっては、これだけが業務内容だというところもあります。

Tシャツを中心とした洋服に印刷するグラフィックの制作。
そして、シャツやドレスなどのプリント柄を作るテキスタイルデザイン。


私は、このプリント柄を作るのを得意としています。
意外と簡単そうに見えて、ちょっとテクニックがいるので、デザイナーの中でも苦手な人もいます。

水玉のように、単純で規則的なレイアウトの柄でなく、ユニークなモチーフとランダムにレイアウトされた柄のデザインが私の得意で好きなテイストです。

刺繍やアップリケなどの装飾デザイン

刺繍やアップリケ用に、モチーフやアートをデザインします。
元々ある細かいティデールのグラフィックをシンプルなものに直して、刺繍しやすくすることもあります。

ビーズやスパンコールなどのレイアウトも、サイズや色を考慮しながらします。

プロダクションへ送るために仕上げる最終アートワーク作り

最終デザインが全て決まると、サンプルを作るためにプロダクションへ最終アートを送ります。

原寸大のサイズのアートデータを作り、使われている色を全てPantoneの色番号で指定します。
スクリーンプリントなのか、どんなインクを使うのか、ある一部だけスペシャルなテクニークを使うのかという詳細も指定して、Techpack またはart sheetと呼ばれるシートに情報をインプットし、最終アートと主にベンダーへデーターを送ります。

サンプルチェック

Strike Offと呼ばれる、大きさと色のチェックだけのための試し刷りのような物がベンダーから送られてきて、こちらが指定した通りのものになっているかチェックします。

アートの修正が必要な場合は、もう一度直したものをベンダーへ送り、最終承認になるまで修正を行います。

売れるかどうかを考える仕事

デザイナーはアーティストと違って、自分の好きなものを作る仕事ではありません。

いかにクライアント、または会社の商品が売れるように、トレンドを考慮しつつ、買ってくれるお客さん層のことを考えてデザインを制作しなければいけません。

表向きは、華やかに見えるデザインの仕事ですが、実際は上からの最終承認が降りなくて、何度も修正を繰り返したりして、うんざりするような作業をすることが多いです。
そして、長時間労働なことが多いし、常に締め切りと戦うストレスが多めな仕事でもあります。

達成感を強く感じられる仕事

それでもなぜ続けているか?

それは、苦しみながら製作した商品が実際に形になったのを見るととても嬉しいから!
それまでの苦労や費やした時間をパッと忘れられる瞬間でもあります。
特に、自分の手がけた商品を着ている人を街で見かけた時は、なんとも言えない「やりがい」を感じます。


チャレンジが多い仕事ですが、やり終えた後の達成感はすごくあります。
だからきっと私は、アパレルでのグラフィックデザイナーを続けているのだと思います。

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